インフルエンザ
インフルエンザ

インフルエンザはインフルエンザウイルスの感染によって引き起こされる急性呼吸器症候群です。
インフルエンザウイルスは核蛋白と膜蛋白の抗原性によりA、B、C、D型に分類されますがヒトで流行するのは主にA型とB型です。A型とB型ウイルスには表面にHA(ヘマグルチニン)とNA(ノイラミニダーゼ)という抗原性の異なる蛋白が発現しています。
A型のHAは16種類、NAは9種類の亜型が存在するためA型だけでも数えきれない程多くの種類があります。現在ヒトで流行が見られるA型ウイルスはH1N1とH3N2の亜型のようです。
潜伏期間は1〜3日間、感染経路は接触、飛沫感染です。上気道にウイルスが吸着し感染が成立します。
感染が成立すると、突然の発熱と上気道症状を呈します。全身症状として悪寒、頭痛、筋肉痛、倦怠感なども呈します。通常、発症後2〜3日で解熱が得られ、1週間ほどで症状は軽快します。
ウイルスが下気道に達すると、気管支炎や肺炎、急性呼吸窮迫症候群、鋳型気管支炎も引き起こします。鋳型気管支炎は放置すると致死的な経過をたどることもあり注意が必要です。
またインフルエンザ脳症という合併症があり、年間100〜300例が発症しています。ICU管理を要することがあります。
現在インフルエンザ迅速抗原検出キット(鼻腔より採取)が実用化されており、5〜10分で結果が得られるため広く普及しています。本検査法が陽性になるためには一定程度のウイルス量が必要で、発症から検査まで12時間後の感度は35%、12〜24時間後は66%、24〜48時間後は92%と報告されています。発症から24時間以内の迅速検査が陰性だった場合は、翌日再度検査を試みてみてもよさそうです。6歳以上には咽頭画像、体温や自覚症状などを加味してAIを用いて総合的に診断を予測するツールも出てきました。感度は76.0%と報告されています。当院では現在迅速抗原検出キットのみを採用しております。
発症48時間以内に抗インフルエンザ薬を投与することで、ウイルス増殖に伴う炎症性サイトカイン産生が抑制される結果、早期に全身状態の回復が得られると考えられています。
現在、本邦ではインフルエンザ迅速抗原検出キットを用いた病原診断が可能であり、早期診断と抗インフルエンザ薬による早期治療が実践されております。国民皆保険制度のある本邦とは置かれた状況が異なりますが海外では基礎疾患がなく重症化リスクが低い患者では抗インフルエンザ薬を投与せず対処療法のみで治療することも多いようです。
法律による出席停止があります。
| 学童 | 発症日+5日、かつ 解熱日+2日まで |
|---|---|
| 幼児 | 発熱日+5日、かつ 解熱日+3日まで |
小児では40〜50%の発症予防効果と入院抑制効果が期待できます。本格的な流行が始まる前の予防接種が良いです。
当院では、従来型の不活化ワクチン、2024年から本邦で使用可能になった新しい生ワクチンの2種類を採用しております。どちらが良いか判断に迷う方は気軽にご相談ください。点鼻の予防接種を希望される方で、気管支喘息既往のある方は摂取前に主治医へご相談ください。
| 注射の予防接種 | 点鼻の予防接種 (フルミスト) |
|
|---|---|---|
| ワクチンの 種類 |
不活化ワクチン (従来型) |
生ワクチン (2024年〜国内で使用可能) |
| 対象年齢 | 生後6ヶ月以上 | 2歳以上19歳未満 |
| 接種回数 | ・6ヶ月以上13歳未満: 2回 (間隔2〜4週間) ・13歳以上:1回 |
1シーズン 1回のみ |
| 主な副反応・症状 | 注射部位の痛み、発赤、腫脹、発熱など | 鼻漏、鼻閉、咳嗽、咽頭痛、発熱など |
| 他ワクチンとの同時接種 | 可能 | 可能 |
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